願いと紡ぐ 君の物語 * Love, Adventure, Survival, Education, Kizuna, Wish. 言葉と愛する 魔法と生きる 詞と生きる

166.逢瀬のままに

クロエが手を差し出してくる

ん なんだろう

「手を繋いで行くんでしょ」

ああ あれ どうなんだろう 多分

手を繋がなくてもいけるんだろうけど

「あ 多分 手を繋がなくても

次元を渡れますね」

クロエの表情が変わるそして変わる

「えー 何 手を繋がなくてもいいんですか

いや 別に 私 もうなんでもありません

でも次元を渡ったんですか 本当に」

《マスター》

えぇ 何 何 聖導師さん何か怒気が

あるんですけど 怖いよすこし でも

「え 次元を渡ったよ 来たじゃないですか」

「 そうなんですね」

「最初の時もそうだったと思いますよ」

「あぁ そう そうなんですね」

クロエは何か深く考え込んでいるみたい

「あの えっと 手を繋がなくても

行ける 帰れると思うよ 検証実験しようか」

と聞くと クロエは俯きかげんで

「実験はまたあとでもいい」

ぎこちなく手を差し述べてくれた

驚いたが 私はさも当然のように

手をとる

「ありがとう クロエ」

「こちらこそ」

―聖導師 次元城へ帰還してくれ―

《逢瀬のままに マスター》

―そこは仰せのままに 誤変換だぞ 聖導師―

《フフフ では失礼致します》

ったく 遊ばれているな

まぁ よろこんでくれるなら それでいいさ

次元カーテンを 出現させる 揺らめている

「じゃ 私から入りますね」

うぉ 手をひかれる

幕に入っていくクロエ 手は繋いだままだ

「ちょっと 待っ 」

うわぁ 大丈夫かな 不安がよぎるが打ち消す

無事に一緒に着くことを祈りつつ

私も 幕にわけ入った